要約:ポリコサノールは、ヒト臨床試験において、血小板凝集を抑制することが証明されており、ここでは研究の詳細なデータを紹介している。

血小板凝集とは:血小板の主要な機能としては、出血時に切れた血管の内壁に附着する粘着と血小板同士が絡み合って結合する凝集があり、この働きにより初期の止血が行われる。血小板凝集がおこると、粘着することにより活性化した血小板は、突起を出すとともに、血小板糖蛋白GPIIb/IIIa複合体と結合するフィブリノゲンを介して凝集することにより、止血栓を形成します。血栓は、脳梗塞や心筋梗塞の起因となるため、血栓ができる一要因の血小板凝集は抑制したほうが良い。

アラキドン酸(AA)、膠質(COLL)、エピネフリン(EPI)、二リン酸アデノシン(ADP)などの薬剤によって引き起こされた血小板凝集に対する効果を評価する臨床研究で、ポリコサノールは、健常なボランティアと、 コレステロール血症患者や2型糖尿病患者の血小板凝集を低下させることを証明した。

ポリコサノールは、血清トロンボキサンA2(TxA2)を低下させることによって血小板凝集を低下させたが、プロスタサイクリン(PgI2)値は増加または変化しなかった。したがって、コレステロールを低下させるために推奨される用量である1日10および20mgのポリコサノールは、血小板凝集を抑制し、これはアテローム性動脈硬化症および合併症が進行しやすい中年および高齢者に有益な結果である。

【コレステロール値健常者対象の研究】

プラセボ対照研究は、正常なコレステロールの対象者で、プラセボ群は血小板凝集を低下させることができない反面、ポリコサノール群はやや有意的に(15%以上、50%未満)抑制させたことを示した(表1)。

表1 健常者対象の血小板凝集(%)(平均±SME)に対するポリコサノール(10㎎/日)の効果

1回経口摂取量 (10-50㎎) のポリコサノールは、エピネフリン(EPI)と二リン酸アデノシン(ADP)に対する血小板凝集を多少有意的に(15%未満)抑制したが、1日5㎎は効果がでなかった。 ポリコサノールを1日20mgを7日間投与した結果、エピネフリン(22.5%)、二リン酸アデノシン(21%)、及び膠質(11.6%)に対する凝集を著しくかつ適切に抑制した。1日10mg,20mgおよび40mgをそれぞれ7日間連続用量で投与されたポリコサノールは、エピネフリン、二リン酸アデノシンおよびグルコースに対する血小板凝集をそれぞれ10㎎は34.7%、27.8%および13.6%まで低下させた。

ポリコサノールを14日間1日10mg投与した結果、アラキドン酸(25.6%‐25.8%)、エピネフリン(17.8%)、そして膠質(10.1%‐16.0%)に対する血小板凝集が抑制され、血清トロンボキサンB2(TxB2)が低下し、動物を対象とした研究結果と一貫していることが示された。しかしながら、この場合、プロスタサイクリン(PgI2)レベルの変化は統計的に有意ではなかった。

ポリコサノールを30日間毎日20mgおよび40mg投与した結果、アラキドン酸(それぞれ28.2%および24.9%)、膠質(21.1%および20.2%)、および二リン酸アデノシン(30.9%および29.1%)に対する血小板凝集が低下した。 両用量の効果は類似していた。

7日間投与されたポリコサノール(1日20mg)と低用量のアスピリン(1日100mg)を7日間投与する比較試験の結果では、ポリコサノールはエピネフリン(32.6%)、膠質(32.6%)と二リン酸アデノシン(37.3%)に対する血小板凝集を抑制したが、アスピリンはエピネフリン(21.9%)に対する凝集を適正にし、膠質への凝集を有意に(61.4%)抑制したが、二リン酸アデノシンに対する凝集には変化を与えなかった。エピネフリンへの凝集を抑制するにはポリコサノールがより効果的であり、膠質への凝集を抑制するにはアスピリンがより効果的であった。 併用療法は、膠質(71.3%)とエピネフリン(57.5%)に対する凝集を有意に抑制し、二リン酸アデノシン(31.0%)に対する凝集はやや抑制した。

 

 

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