酸化ストレスとは

酸化ストレスとは、呼吸で取り込まれた酸素が体の中の細胞や組織などに結びつき、ダメージが蓄積していくことです。年をとると、シワが増えたり疲れやすくなったりしていきます。そうした老化が進む原因の一つが酸化ストレスだと考えられています。機械でいうと錆ついてきた状態です。生物もDNAと蛋白質という生命活動に必要な「部品」で作られています。これらが酸化ストレスによって、ダメージを受けてしまいます。

 

酸化ストレスと生活習慣病

血中でコレステロールなどを運ぶ低比重リポ蛋白質(LDL)は細胞膜を構成する重要な物質ですが、これが過剰となると生活習慣病を発症する原因となるために、悪玉コレステロールと呼ばれています※1。特にこのLDLが、活性酸素などフリーラジカルの作用によって、酸化されたものは「酸化LDL」と呼ばれており、生活習慣病の原因要素となります。特に1型糖尿病の患者さんは、この酸化LDLに対して感受性が高いと考えられています※2。

酸化LDLは血管壁を傷つけ、健康な血管が本来持っている血管拡張作用を損ないます。また酸化LDLが血管壁に沈着すると、白血球のマクロファージがこれを異物と見なして集まり、酸化LDLを次々に捕食して動けなくなります。その残骸がプラークと呼ばれる粥状の物質となって血管壁にたまり、動脈硬化を引き起こします。

 

LDLの酸化メカニズム

LDLコレステロールは、正確には、中心のコレステロールエステルや中性脂肪があり、それらを外側のリン脂質やLDLアポリポ蛋白質などで包んでいるような球状の形状をしています※3。これらの脂質には、酸化されやすい不飽和脂肪酸が含まれているため、活性酸素などフリーラジカルに攻撃され、酸化の標的となります※4。時間が経つとその分酸化が進むことから、古いLDLは酸化型が多くなります。また、酸化LDLは血管に付着すると、動脈硬化などを引き起こす原因となるプラークが形成されやすくなると考えられています※3。

 

LDLの酸化を防ぐものと促進するもの

1)酸化を引き起こす攻撃因子を酸化ストレスといいますが、通常は抗酸化酵素やビタミンE・Cなど、体に備わった抗酸化能が酸化ストレスから防御しているため、LDLがすぐに酸化されることはありません。しかし喫煙などによって酸化ストレスが増大したり、加齢などに伴って抗酸化能が低下すると、LDLの酸化が促進されると考えられています※5。

 

2)また、体のLDLの比率が高くなると、その分、酸化LDLの割合も増えます。体の酸化LDLを減らすにはやはり、全体のLDLの割合を減らす必要があります。LDL/HDL値を理想的な状態に維持する必要があります※6。

 

参考

※1 LDLコレステロール

https://raydel-health.jp/health-dictionaries/ldl%e3%82%b3%e3%83%ac%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%83%ab/

※2 Association of postprandial hyperglycemia with in vitro LDL oxidation in non-smoking patients with type 1 diabetes–a cross-sectional study – PubMed (nih.gov)

※3日本獣医生命科学大学獣医内科学教室 東京都武蔵野市 180‐8602

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpan/13/1/13_1_12/_pdf/-char/ja

※4

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-028.html

※5 Eur J Clin Invest 2005 Mar;35(3):186-93. doi: 10.1111/j.1365-2362.2005.01472.x.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15733073/

※6  LH比(LDLとHDLの比率)が高いと動脈硬化リスクが高くなる    RAYDEL